母子手帳の記録では言葉の発達に関して、こういった質問事項が記載されています。
1-1歳半 1語文(ママ、ブーブーなど)意味のあることばをいくつか話しますか?
2-2歳半 2語文(ワンワンキタ、マンマチョウダイ)などを言いますか?
3歳 自分の名前が言えますか?
4歳 友達とごっこ遊びをしますか?
5歳 はっきりした発音で話ができますか?
市で行われる1歳検診では何も発語がありませんでした。(喃語はありました。まーまーと言っているのかあやふやな感じ)
長女も発語が遅く、保育園に通ってから急に言葉が爆発したかのようにベラベラお話していたので、1歳半頃に「ママ」「パパ」「いたい」とか簡単な1語文でしたが、コミュニケーションは取れていて、呼びかけは大きな声で呼べば反応があったので特に何も気にしていませんでした。
普通の音量で呼びかけは反応が薄かったです。
これを私は【子供は遊びに夢中になっている】んだと捉えていました。
2歳を過ぎて、市の2歳検診は仕事もあったことや特に気になることがなかったので行きませんでした。
すると、数日後に保健センターから夫に電話がありました。
「あれから言葉は増えましたか?」と。
夫は「う~ん。。。微妙です」と答えたところ、市内の耳鼻科を紹介され、一度聴力検査を受けてきてください。と言われました。
保健センターから電話があった翌日、保育園の先生に
「市の保健師からこう言われたんですけど、コミュニケーションどうですか?伝わっていない感じですか?」
と聞いたら
「ええ!?そんな風に思ったことなかったよ。先生が言うことも全部こなせているし、まだ言葉が少ない子供もいるし。。」
と言われました。
私たち夫婦もコミュニケーションは取れているし、お互い仕事で病院にも行く暇がないし、と中々行きませんでした。
ちょっと話が逸れてしまいますが、そんなとき、私は仕事で課内とのコミュニケーションがうまくいっていませんでした。
補聴器や人工内耳を付けていても発音が上手な人は一番誤解されやすいです。
手話を使っていれば、相手は口話で話しても伝わらないときもあるから筆記対応などで対応しよう。等、考えてくれますが、口話での会話を続けていると「普通に会話できるじゃん」と思われて、日が経てば耳が悪いことを忘れられてしまいます。
最初は口元を大きく話してくれていたのにそれすらなくなります。
ここで健聴者はこう言うでしょう。
『分からなかったら聞きなおして』と。
1回だけで理解できるなら聞きます。聞けます。
でも何回も聞き落とすと【もうこれ以上はしつこいと思われる…。諦めよう】と分かったふりをしてしまうことも少なからずあるのです。
また、メンバーも忙しいだろうに私を相手に時間をかけるにも負担をかけてしまいます。
このままでは仕事で大きなミスをしたり、迷惑をかけてしまう。
周りは良い人ばかりで、自分がちゃんと本音を都度、伝えられたらこんなに悩むこともないと思う。
でも、良い人だからこそ迷惑をかけたくないんですよね。
自分の中での葛藤がすごいあって。
こういったことも含め、限界がきたので転職を考えました。
そして、転職先が決まり、有給消化中に娘を連れて病院を受診することにしました。
保健センターから電話があって約半年弱のことです。
ABR(聴性脳幹反応) 検査とASSR(聴性定常反応検査)の聴力検査を行いました。
結果、中度難聴ということが分かりました。
ろう者は聴覚が劣る分、視覚に頼ります。
だから、娘は周りをよく見ながら行動していたのでしょう。
それを私たち夫婦は聞こえていると勘違いして気付くのが遅れました。
保健センターから電話でアドバイスをもらったときにすぐ行けば良かった…と考えても後の祭りです。
そこからは補聴器をつくるために市役所に書類申請を出したり、理研などの補聴器専門店でイヤモールドを作ったり、音を調整していきました。診断を受けて補聴器が出来るまでに約2ヶ月かかりました。
そこから聾学校に教育相談に通うようになりました。
本当は週1回なのですが、仕事をそんなに休めるわけでもなく・・・。
夫と交互で月1回で通っていました。
幼稚部への入学手続き〆切が迫ってきます。
教育相談では
『聾学校は補聴器や人工内耳を付けているろう者だけが通える学校です。
新生児~幼児期は脳の発達的にも言葉を吸収しやすい時期なので、こちらとしては聾学校を勧めますが、共働きの家庭も増えていますので、未就学児の間は保育園を利用して、小学校に上がったときの状況を見て普通級の学校で勉強についていくには難しそうと判断して小学校から聾学校に変えるご家庭もあります。
しかし、言葉を覚えていくことは早いうちからが大事です。どう選択するかはご家庭で話し合ってください。』
と言われました。
聾学校(幼稚部)に通うことになると・・・。
●送迎が必要。
親は丸一日参観(親自身も子供に対してどう対応していけばいいか勉強のために先生と子供のやり取りを見てる。)
私の母いわく、昔は毎日休む暇なく付きっきりで参観だったそうです。
現在は共働きも増えてきてること、親の目の前だと先生も思い切りダメな事をダメと指導出来なかったり、子供はなにかあったときに親に近づいて甘えてしまったりと時代が変わってきているので週2-3回の参観だったりします。(学校の方針によるので、通うことを検討している方は確認をしてください。)
9:40始業、14時下校なんて必然的に仕事なんて出来ません。
せっかく転職出来て良い条件なのに辞めたくない私。子供も3人いるからお金必要だし。
でも娘が困るのは嫌だし、聾学校に通わせた方が娘にとっては生きやすいんだから仕事を諦めなきゃ。
本当にギリギリまで色々な感情がグルグルしました。
家庭内では口話でコミュニケーションが取れているし、これから言葉が増えるんじゃないか。
発音の練習のために聾学校へ、仕事継続のために保育園継続したい、という考えのお母様もおられるのではないのでしょうか。
私自身がそう考えていました。
実際、娘に難聴が分かる前は時短勤務をしながら保育園に預けていました。
私は諦められず、保育園と聾学校を両方に通わせてあげたい。と保健センターや市役所の保育課に相談しました。
しかし現実は、
●これまでにそういった事例がない。
●名簿の籍を残すのは1つだけに限られるため難しい。と言われました。
恐らく、幼児教育・保育の無償化などの補助関係は名簿の紐付けで管理されているのだと思います。
私は聾学校の教育相談でも先生に2箇所利用することは出来ないのか相談しましたが、やはり同じ答えでした。
だから、私たち夫婦が選択した方法は
【仕事はしょうがない。小さいうちが一番大事という学校側の説明も分かる。だから仕事は諦めて、娘が言葉を最短1年、長くても2年間聾学校に通わせよう。年長から通っていた保育園にまた戻せばいい】という結論に至りました。
娘は明るく社交的でおしゃべり大好きです。
だからこそ、多くのお友達とも関わってほしい。
私が言えることではないですが、他のご家庭で考えた結果はどれも間違いはないと思います。
子供のことを考えて、一番近くにいる人が見極めて考えているのだから。
大勢いる環境の中でコミュニケーションを取るのが難しくて子供自身が大変そう、と明らかに分かっているのにそのままの環境を続けさせるのは【親のエゴ】とは思いますが。
子供の視野が広がってほしいというのは当たり前の想いだと思います。
私は聞こえのレベルにもよりますが、子供の性格も大きく関わってくると思っています。
うちの娘は社交的で積極的、気が強い性格なので、怖いものなしの幼児期から色々学べさせる絶好のチャンスだと。
幼稚園時期なんて、子供同士の素直な気持ちをそのままぶつけ合うじゃないですか。(笑)
親として、子供を悲しませたくないのは当然ながらにあります。
でも、補聴器を付けているっていうことだけで、健聴者だけの学校に入ったらイジメの標的になりやすいかもしれない。
でもそれを幼稚園時期のときから耳のことを理解してくれて、仲良いお友達がいれば小学校に上がっても心強いと思うんです。
そのお友達に頼るっていうわけではありません。
理解してくれる人が一人でもいれば心強いのです。
その理解してくれる人を見つけてほしい。
まぁ子供なので、そこまで理解はしていないと思いますが^^;
来年は年長になるので、そろそろ保育園申し込み時期です。
転園を考えている方、頑張りましょう。
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